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日経ビジネスに見る「経済先読み・解読」 018号
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今週はちょっと指向を変えて、今だに世間を賑わしている「のりピー」の話です。
とは言っても、のりピーがどうだこうだというのではなくて、のりピーが所属していた事務所の元会長さんのお話です。
のりピーの旦那さんが逮捕されたのは、夏真っ盛りの8月3日のことでした。時間がたつのは早いものです。
この事件、とかくのりピーの動向についてばかり話題になりますが、要所要所で画面に出てくる男性の姿があります。
のりピーが所属していた事務所の副社長さんです。事件前までは社長さんでした。一連の事件で引責し、社長さんを降りています。
今回の「敗軍の将」として語っている元会長の息子さんです。
この事件を企業側から見ると、芸能事務所も一企業であり、そのリスクマネジメントの対応や、ダメージは一般的な企業と同様です。
規模が小さいので大企業が起こす不祥事のようには叩かれませんが、ダメージは避けられません。
スポンサー契約を結んでいた取引先はCMを流せなくなり、レコード会社はCDが販売できなくなりました。のりピーブランドを生産・販売していたところも被害をうけたでしょう。その被害総額は億にのぼるそうです。のりピーはこの事件で解雇されたそうです。
この事件によって約100人いる社員さん達は動揺したそうです。自社の商品(タレントを商品と表現するのはおかしいかもしれません)が事件を起こしたとなるとそのマイナスの影響を憂慮するのは当然です。
それを受けて、この会長さんは日常業務に差し支えがでないようにと平静を装う自己演出していたそうです。
本当は「ああなったらどうしよう、こうなったらどうしよう」と心配がつきなかったと記事の中で語っています。
この事件によって、損害賠償が発生します。その対処方法として、
①タレントの仕事の幅を広げて収入を増やす
②無駄なコストを切る詰める
③みんなで力を合わせ、総力戦で乗り切る
④再発防止策として、タレントに定期的に健康診断を受けさせる
⑤すべての所属タレントに「薬物は使用しない」「未成年は喫煙しない」「仕事には車を使わない」などといった覚書を交わす
ことをするとのことです。
世間を揺るがした割にはあまり緊張感のない対処方法です。はたしてこれで会社が持ち直すかどうかはわかりませんが、なんとかこの難局を乗り越えてより強い組織に成長してほしいものです。
端からみれば、いちタレントのゴシップにすぎませんが、見方を変えて「不祥事をおこした一企業がどう対応していくか」というところに着目していきたいと思います。
芸能プロダクションといっても一企業なのです。
先日読んだ本にこんなことが書いてありました。
クレームの基本は「社長、限界でしょ」だそうです。
「謝罪・調査・原因追究・改善・処遇」の順でお客さんに対応することが大切だということです。それを語呂合わせで「社長、限界でしょ」というわけです。
まず謝る。それから調査し、そして原因を究明し改善策を考え、その後の処遇をお客様に報告することが大事であるということです。
不祥事など起こらないことが第一ですが、万一起こってしまった際の対処方法を間違わないようにしなければなりません。
自戒の念を込めて、肝に銘じたいと思います。
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