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栗田 剛志

Author:栗田 剛志
横浜在住の駆け出しコンサルタントです。
真の士(サムライ)を目指して、刀を磨き続けます。
「刀は錆びていないか・・・」
自問自答の日々です。
父親の興した会社を引き継ぎ、世の中の中小・小規模事業者を同士としてサポートしていきます。

営業力強化の支援
マーケティング戦略立案
店舗運営管理
販売員のマネジメント
ロジカルシンキング
を得意とします。

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217:【ゲームチェンジャー現る】

2010/05/31 (Mon) 06:00
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               日経ビジネスに見る「経済先読み・解読」 043号
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                 「日経ビジネス2010年5月31日号 no.1543
               『iPad上陸~ジョブスが迫る破壊と創造』」より

 先週の水曜日、米アップル社の「iPad(アイパッド)」が日本で発売されました。
 「新型の情報端末機」というとなんだかよくわかりませんが、要は「雑誌くらいの大きさでインターネットやメールができて、映画や音楽、ゲームなどが楽しめる、携帯電話とパソコンの中間に位置する電化製品」です。
 縦242mm、横190mm、厚さ13mm、重量は0.7kg。バッテリーは約10時間もつそうです。
 こう書くと「おれにはあんまり関係ないな」という方も多いかもしれません。
 事実、私もまだ買っていません。携帯電話に不満はないし、ノートパソコンも常に持ち歩いています。イ―モバイルで大抵の場所でインターネットの接続できます。なにも不自由がないので、興味以外に買う動機がありません。
 しかし、今週の特集である「iPad」を見てみると、「関係ないな」じゃ済まされない気がします。仕事や生活に 携帯電話やパソコンが不可欠であるのと同じレベルで「iPod」が不可欠になる可能性があるとともに、ビジネスの発想を転換できるヒントが隠されていそうだからです。

 先行発売されたアメリカでの「iPad」の利用のされ方です。
 カルフォルニア州のある病院では、院内のITシステムをiPad対応のシステムに構築し直しました。医師や看護婦が「iPad」を持ち歩きながら仕事ができるようにしたのです。レントゲン写真や心電図、検査結果などを「iPad」に映し出して病室から病室へ忙しそうに歩きまわっています。患者さんの容態のみならず、スタッフの給与や休暇の管理、スケジュール、メモ、メールなどを全部「iPad」で済ませています。
 ペンシルバニア州の大学では、2100人いる学生全員に「iPad」を支給しています。教科書や参考書を電子書籍にすることで、学生たちは重たい書籍を何冊も持ち歩かずに済みます。

 こういった使われ方を見ると、いろいろなことを想像することができます。
 病院で初診の際に記入するアンケートのようなものは、「iPad」に置き換わるでしょう。年に一度受診する健康診断なんてものも、「iPad」片手に行うようになるかもしれません。
 学校では、出席や成績の管理、論文の提出のみならず、試験も「iPad」上で行われるかもしれません。

 日本で行われている取り組みをいくつかご紹介しましょう、
 「iPad」に配信される情報誌「オズマガジン」電子版では、画面上で指をスライドさせてページをめくると写真や見出しの一部が浮かび上がるように黄色く光ります。その部分を軽くたたくと海岸沿いの風景がいきいきと動き始めます。
 ファッション雑誌「VOGUE  NIPPON」電子版では、タイトルの下にファッションショーで闊歩するモデルたちの姿が音楽とともに動画で表示されます。

 アイデア次第で今まで誰もが無理だとあきらめていた新しいビジネスが可能となります。
 例えば日本のコンテンツ産業。ジャパンクールと称される日本のコミックを海外で発行するには造本や物流費など様々なハードルがあります。一方、この「iPad」を利用すると、台詞を外国語に転換さえすれば流通網を持たずに世界中の人に買ってもらえます。しかも在庫を持つ必要がありません。

 以上のように、映像や書籍、広告、ゲームなどのコンテンツばかりでなく、生活やビジネスの概念を一新する可能性を秘めています。
 音声出力、動画再生、電子書籍など「iPad」でできることは何も珍しいことではありません。従来のパソコンや携帯電話で十分できることです。
 では、なぜそれが「iPad」の登場がここまで脚光を浴びるのでしょうか。
 それは、「iPad」の簡単な操作性と日常のライフスタイルに溶け込む商品設計にあります。
 「iPad」のにのみならずアップル社の製品の特徴は、機能だけでなく、操作性やデザインといったヒューマンインターフェイスを重視する商品開発と、作り上げた製品に音楽やゲームなどの多様な業界を巻き込む独自の「生態系」を築きあげるところにあります。
 アップルのスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)は、1月の「iPad」の発表会でこのようなことを言っていました。
 「技術的に最先端で、かつ楽しく直感的に使える製品を作る。そのために我々は常にテクノロジーとリベラルアーツ(人文科学)が交わる場所にいることを意識してきた。これらの二つの概念を組み合わせてこそiPadのような創造的な製品を生み出せるのだ」

 要は、ユーザーの使い勝手に徹底的にこだわり、使うシーンや何が不満となるかを製品開発の段階から常に意識している点にあるのだと言えます。
 日本のモノづくりに欠けている意識ではないでしょうか。
 日本のモノづくりは、発想や技術自体は素晴らしいのですが、そのものばかりに集中してしまい、使い手への配慮が欠けてしまうことが多々あります。
 人間相手の商売です。アップルは我々に欠けているものを気づかせてくれようとしています。

 私がこの特集を読んで皆さんに伝えたいのは、「iPad」がすごいということではなく、ジョブズが言うように、テクノロジーと同様、ビジネスを考える上ではリベラルアーツ(人文科学)をはずして考えられないということです。
 心理学、社会学、文学、芸術、教育、言語といった人文科学が差別化をするためのカギとなります。

 ゲームチェンジャーとは、スポーツの試合で途中出場し、一気に流れを変えてしまう選手のことです。
 「iPad」を使ってみませんか。
 「iPad」のが皆さんのビジネスのゲームチェンジャーとなって、使い手を意識した開発、販売、サービスのヒントを思いつくかもしれません。



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テーマ : ☆経営のヒント☆ - ジャンル : ビジネス


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