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栗田 剛志

Author:栗田 剛志
横浜在住の駆け出しコンサルタントです。
真の士(サムライ)を目指して、刀を磨き続けます。
「刀は錆びていないか・・・」
自問自答の日々です。
父親の興した会社を引き継ぎ、世の中の中小・小規模事業者を同士としてサポートしていきます。

営業力強化の支援
マーケティング戦略立案
店舗運営管理
販売員のマネジメント
ロジカルシンキング
を得意とします。

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300:【従業員マシン化計画】

2010/09/21 (Tue) 06:00
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               日経ビジネスに見る「経済先読み・解読」 058号
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                 「日経ビジネス2010年9月20日号 no.1558
          『外食日本一ゼンショー~280円で仕掛けるメガ盛り生産性革命』」より


 皆さんは、「すき家」という牛丼屋さんに入ったことはあるでしょうか。
 ロードサイド店が多いようで、「吉野家」や「マクドナルド」のようにどこの駅前にも必ずあるという店ではないのですが、店舗数は「吉野家」1178店に対して「すき屋」1482店と「吉野家」を上回っています。
 この「すき家」を手掛ける「ゼンショー」の連結の売上高は、ものすごい勢いで伸びており、この勢いが持続されれば2010年度には「マクドナルド」を抜いて外食チェーン日本一になりそうです。
 牛丼を280円で販売して価格競争を仕掛け、「吉野家」を沈めた会社と言った方が分かりやすいかもしれません。
 沈められたのは、「吉野家」だけではありません。丼ものと並んでサラリーマンのランチとして人気のあった麺類も、圧倒的な価格差で苦しい状況に追い込まれています。ラーメンは、600円以上のメニューが多く、うどんやそばに比べて丼ものは腹もちがいいということから、牛丼にランチを中心とした需要が流れているようです。
 この「ゼンショー」という会社、これまであまり注目されることはなかったのですが、その経営手法の中身をひも解いてみると、ものすごい会社であることが分かります。
 表向きは、ユニークなメニュー開発やターゲットをファミリー層に置くなど、どちらかと言うとトップの「吉野家」とは異なる独自の路線をじっくりと磨き上げ、コツコツと成長を図るといったイメージをもっていましたが、ここ最近は、積極的なM&Aで急成長しています。
 「すき家」が外食産業最強の現場と呼ばれる訳が、ここにあります。

 品川にある「ゼンショー」の本部では、約100名が集まる朝礼が朝8時半から開始されます。その朝礼では、社員全員が直立不動で整列し、各責任者が声を張り上げて業務報告を早口でつないでいきます。
 その後、その場で選ばれた2人が、すき家店内で行われる接客のオペレーションを再現するロールプレイングを行います。
 「キッチンでの動きですが、重心を今より5㎝低くすることによって、左回転がスムーズに動きます。それを気をつけてください」
 ロールプレイングを評する先輩社員のコメントです。「ゴルフかよっ」と思わず突っ込みを入れたくなります。
 その後は、100人そろって掛け声に合わせスクワットを一心不乱に行います。朝礼が終わるやいなや、一斉にドアへ殺到し、我先にと廊下に飛び出していくそうです。

 店舗でのオペレーションは、人が担うサービス業とは思えないほどのマニュアルが組まれています。
 牛丼を出す制限時間が設けられており、その時間はなんと10秒。お客さんが店に入って席に着くと、「予測盛り」といって、確率的に高い牛丼並の量のご飯をあらかじめ盛っておくそうです。仮に、予測が外れたとしても、1分以内であれば炊飯器にもどしてもいいというルールが定められています。
 牛丼の具を盛る際には、両足を一歩たりとも動かしてはいけません。体のバランスのとり方やひざを曲げる角度まで規定されています。
 店員さんに求められるのは、マニュアルの徹底した遵守。独自性が認められるのは、笑顔だけです。

 「商談は30分」「社員は群れてはいけない」「笑ってごまかさない」「いい人に思われるようにするな」「歩く時は1秒に2歩以上」・・・・
 ゼンショーグループ憲章をいう従業員の立ち振る舞いを定める「バイブル」には、このような取り決めが記されています。配られた冊子には、シリアルナンバーが打たれており、なくすことは許されません。
 おっかないです。私は自信がありません。

 規則に縛られたオペレーションは、極限までヒトの生産性を高めるためのものであり、個々の裁量や能力を排除して誰でも均一に一定に作業をこなしてもらうための仕組みです。
 まさに、ヒトをマシン化するためのものです。
 製造業以上に生産性を追求し、ヒトそのものを機械に代わる精密な「作業マシン」として鍛え上げていきます。

 今の世間の風潮を反映しているものなのでしょう。この時代にぴったりとはまったビジネスモデルなのかもしれません。
 通常では考えられないがんじがらめの管理の中で、これだけの人数の従業員さんが働き、これだけの結果を残しているということは、社長さんの求心力がとてつもなく強いのでしょう。
 このような体制を何年も前から徹底し、精度を高めてきたこの社長さんの先見の明はものすごいものがあります。真似しろと言われても、どう転んでもできるわけがなく、たとえし始めたとしても、このレベルに到達するには、何年も先のこととなるでしょう。圧倒的な競争力です。

 このようなやり方を否定するつもりは全くありません。
 ただ、やりたいと思ってやっている人はどれだけいるのでしょうか。マシンと化して決められた通りに働くことを追求するのか、それとも、自己責任のもとに、自分の思い描くやり方や発想で仕事をしていくのか。
 従う方も、決められたことを坦々とこなせばいいので、自分で考える必要がありません。マニュアルに従ってさえいれば責任を負う必要もありません。それはそれでとても楽なことなのだと思います。
 選ぶのは、その人個人であり、環境を提供するのは社長さん自身です。

 今回は、どちらがどちらというわけではなく、現実にこのような会社が存在し、圧倒的な好業績を上げているという事実について驚き、考えさせられました。
 率直な感想は、「従業員マシン化計画」、一昔前のたちの悪い映画のようです。


今週の格言:組織が人を動かす企業は活力を失い衰退していく。人が組織を動かす企業は発展成長する ~ 平岩外四


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テーマ : ☆経営のヒント☆ - ジャンル : ビジネス


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