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栗田 剛志

Author:栗田 剛志
横浜在住の駆け出しコンサルタントです。
真の士(サムライ)を目指して、刀を磨き続けます。
「刀は錆びていないか・・・」
自問自答の日々です。
父親の興した会社を引き継ぎ、世の中の中小・小規模事業者を同士としてサポートしていきます。

営業力強化の支援
マーケティング戦略立案
店舗運営管理
販売員のマネジメント
ロジカルシンキング
を得意とします。

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446:【外国人は信用できないのか】

2011/05/02 (Mon) 06:00
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               日経ビジネスに見る「経済先読み・解読」 089号
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                 「日経ビジネス2011年5月2日号 no.1589
             『消えた外国人労働者~日本人だけで職場は守れるか』」より


 外食産業やコンビニエンスストアのパート従業員さん、繊維工場での技能実習生、外資系金融機関に勤める高度な知識を持つ専門家、農作業を手伝う実習生、旅館での仲居さん、語学学校の先生たち・・・
 地震と原発問題で、蒸発してしまった外国人労働力に、現場は混乱し、ラインは停止し、休業に追い込まれる事業者も多数出ました。
 2011年2月時の国内の就労人口は、6211万人です。そのうち外国人労働者数は約65万人で、割合にすると1%強となります。今回の震災で、統計上では1%強でしかない海外からの労働力にどれだけ影響力があるかを思い知りました。
 母国に帰ってしまった外国人を身勝手だと責めることはできません。今の状況で、言葉や文化を十分に理解できず、帰る場所が別にあるのなら当然です。
 労働人口が減少する一方の日本で、外国から労働力を取り入れることは不可欠です。今後この比率はどんどん上昇していくこととなるでしょう。そのような中で、私たちは外国から来ていただいた労働者の方たちと、どのような関係を築いていけばいいのでしょうか。

 外国人が去ってしまった職場がある一方で、1人も帰国者を出さなかった職場があります。その違いは何だったのでしょうか。その取組みを、A、B、C、Dを頭文字とする言葉で表わすことができます。

 「Accountability(説明責任)」
 群馬県昭和村にある農業法人「グリンリーフ」では、タイから技能実習生を受け入れています。
 震災直後は、タイにいる家族が実習生の安否を気遣い、ひっきりなしに電話がなりました。テレビによる連日の報道も、日本語が聞き取れない彼らには意味が分からず、動揺していました。一方、タイ語で報じられる情報は、「東京は壊滅状態」「日本全国が放射能汚染された」などといった誤った情報が多くとびかっていました。
 このような状況の中で同社がとったのは、「安心のためにまずは知らせること」でした。
 3月19日に実習生全員を集め、通訳を通じてタイ語で放射能リスクについて丁寧に説明しました。その際に工夫したのは、単に「福島第1原発はここから遠いから安心」と言うのではなく、「昭和村は福島第1原発から200km離れている。チェルノブイリ原発事故の例を見ても、その距離が放射性物質を希薄化してくれる」と、知り得る限りのデータを集めて説明したことです。
 また、「200㎞」という距離を実感してもらうために、タイの地図を広げて「あなたの生まれた町から200㎞離れると、ここ」と示しました。
 実習生のひとりは、こう言っています。
 「家族も私も不安でしたが、状況を説明してもらって安心しました。僕たちも正しい情報があれば、ちゃんとそれを理解して理性的に行動できるんです」
 知ることで不安を消すことができます。

 「Bond(絆)」
 宮城県女川町の水産加工会社「佐藤水産」では、中国からの実習生20名を抱えていました。震災当日、慌てふためく実習生らを「高いところへ逃げろ」と、安全なところまで避難させた専務さんは、全員が無事に避難したのを見届けると、会社に戻り、津波にのまれて亡くなられました。
 被災した女川には、仕事がありません。実習生たちは全員帰国せざるを得ませんでしたが、命を救われた実習生達は、亡くなられた専務に涙を流して感謝し、こう言っています。
 「いつか再び女川に戻って、佐藤水産を建て直したい」
 女川町にある水産加工会社では、ほかにも160名ほどの実習生が働いていました。「若い人が減りつつある女川町にとって、中国人実習生は貴重な人材だ。だから大切にしてきた」
 こういった姿勢が中国にも伝わり、これまで優秀な実習生が女川町にやってきていました。
 こうして築き上げてきた絆によって、帰ってきてくれる関係を築くことができます。

 「Career(職歴)」
 山形県寒河江市にある「佐藤繊維」では、12名の中国人実習生が働いています。震災の直後こそ実習生の間に動揺が広がりましたが、原発事故が深刻化する今でも通常通りに働いています。
 繊維業界では、一般的に、実習生には糸の補充といった基本的な作業にしか従事させない会社が多い中、「佐藤繊維」に至っては、実習生にも高度な技能をたたき込みます。
 「編み」や「織り」の両方の技術を習熟させ、コンピューターや機械の操作が伴う編み機の操作も学ばせます。 最新鋭の機械から年代物の特殊な編み機まで揃うここでのキャリアは、中国帰国後も確実に活かせます。
 自らの将来設計に何ら寄与しない単純労働となれば、働く目的は賃金でしかありません。対価とリスクを天秤にかけて、後者に傾けば、「辞めます」となるのは自明の理です。
 次の一歩につながる職業経験を積ませることが働き続ける動機になるのです。

 「Diversity(多様性)」
 私たちは、外国人ということだけで、特別視してはいないでしょうか。
 単一民族である私たちは、日本人だけでいることが当たり前になっています。外国人がいるいないに限らず、みな同じ方向をむいて、同じ考えや思いでないと不自然と捉えます。そういう教育を受けてきたのですから、ある意味仕方ありません。
 人は、知らず自分の中にある、異質に見えるものへの排他性に気付かないものです。
 異なる国の出身者に対してステレオタイプの先入観を抱く。文化の違いを、その人のいないところでジョークにする。打合せの際に特定の人物から目をそらしてしまう。グループの常識を知らない新しいメンバーが来たのに、仲間内の共通言語で話してしまう。
 こうした排他性は、外国人労働者に対してだけでなく、我々日本人の仲間内でも行われています。これが、チームに対してどれだけ悪影響を及ぼしているか計りしれません。
 見た目や育った環境が同じ日本人でも考え方や価値観は違います。外国人であればなおさらです。良い悪いではなく、違う意見や考え方が存在するという事実を受け入れることから始めなければなりません。
 外国人を特別な存在と捉えず、異なる個性や考え方を受け入れる組織風土を作ることを目指すのです。

 私の仕事は、ひとつの組織内の長く留まるのではなく、新しい組織に次々と飛び込んでいくものです。言葉は通じるものの、その組織の風土や文化、ルール、専門的な言葉を十分に知り得ない中で仕事をしなくてはなりません。
 ある意味、外国人労働者と同じです。
 組織の中で働くための必要な情報が得られず、すでに組織にいる人たちとの絆に飢えています。そこでの働きによって次のステップを目指していきます。そして、排他的に扱われることがどれだけマイナスの要素に働くかを、身をもって経験しています。
 今後、労働鎖国はあり得ません。これまでに増して海外からの労働力を必要とします。日本人にとっても働きやすいダイバーシティが実現すれば、おのずとそこが、外国人が働きやすい場所になっているはずです。
 去ってしまった外国人が信用できないのではありません。彼らの不安を取り除くことができなかった私たちが悪いのです。

今週の名言:教養とは、自分とは別の価値観も許容することだ ~ 樋口裕一







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テーマ : ☆経営のヒント☆ - ジャンル : ビジネス


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