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日経ビジネスに見る「経済先読み・解読」 114号
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「日経ビジネス2011年10月31日号 no.1614
『次代を創る100人』」より
変革にはヒーローが必要です。事が動く時、そこには必ずヒーローがいます。周囲を巻き込み動かす強い影響力を持つ者が存在するのです。
日経ビジネスに、次代の変革に向かう100人が発表されています。
その中でも、GAME CHANGER(変革者)、CREATOR(創造者)、HERO(勇士)、LEADER(先導者)、THINKER(思索家)として、私が注目する5人を選んでみました。
【GAME CHANGER(変革者)】「大阪府知事 橋下徹」
今、巷を賑わす政治家としてのナンバーワンは、橋下大阪府知事以外に考えられません。週刊誌に亡き父のことを書かれ、メチャクチャ怒っています。
大阪府財政非常事態宣言、教育改革、府庁移転問題、そして、大阪府と大阪市の二重行政解消を狙う大阪都構想など、矢継ぎ早に現状の問題点をあぶり出し、変革へのプランや政策をトップダウンで打ち出す姿は、変革者そのものです。
変えようとすればするほど、敵は増えます。その反動が今表れているではないでしょうか。
もともと、批判は承知の上での行動です。和を尊ぶ日本の社会には根源的に相いれないものなのです。しかし、批判にさらされながらもあえて突っ走っていくことができる者こそが、GAME CHANGER(変革者)たるのです。
正しいか正しくないかも重要ですが、停滞する今の日本には、橋下府知事のような激しい行動をとる人が必要なのです。
【CREATOR(創造者)】「井口 尊仁 頓知ドットCEO」
「セカイカメラ」というスマートフォン向けのアプリケーションをご存じでしょうか。スマートフォンのカメラを機動させて周囲にかざすと、画像として映った対象物に関する情報が、タグとして表示されるものです。
私は、この「セカイカメラ」がすごいといいたのではありません。
CREATOR(創造者)として井口氏を取り上げたのは、3年前、サンフランシスコで開かれたベンチャー企業のアイデアを競い合う世界イベント「TechCrunch50」での、井口CEOのプレゼンテーションに衝撃を受けたからです。
決して上手な英語とは言えません。それでもほんの3分弱のプレゼンテーションでトップクラスのベンチャーキャピタリストをぐっと惹きつけ、最後には割れんばかりの拍手喝さいを受けていました。
最初から世界を相手に開発しています。創業自体が世界に向かっています。
CREATOR(創造者)とは、無から有を生み出す者のことを言います。井口氏は、ソフトそのもののみならず、市場をも創造しているのです。
【HERO(勇士)】「香川 真司 独ボルシア・ドルトムント」
これまで、たくさんの選手が「日本代表の10番」をしょってきました。失礼な話なのですが、私個人としては、「日本代表の10番」に本気で期待したことはありません。
なぜか代表の10番は頼りないのです。期待を寄せても、その期待に応えてくれることがこれまであまりにも少なかったからでしょうか。がっかりさせられたくないので、期待をしないようにしているのかもしれません。
そんな代表の10番に対する認識をひっくり返してくれたのが、香川選手です。
サッカーをしていると、「あるエリアでこいつにボールを持たせるとまずい」という選手に遭遇します。守る側は、エリア内でボールを触らせないようにしているのですが、ある瞬間マークを外されてボールを持たれると、まだ決められていないにも関わらず、絶望的な気持ちにさせられることがあります。
香川選手は、まさにそのような選手なのです。
私にとって「日本代表の10番」を変えてくれる選手なのです。
【LEADER(先導者)】「孫 正義 ソフトバンク社長」
「ZOZOTOWN」を展開する「スタートトゥデイ」前澤社長と孫氏とのやり取りです。
孫氏から、澤氏に突然電話がかかってきて、「一緒に中国ビジネスをやろう」と持ちかけられたそうです。
孫氏から中国進出構想についてひとしきり説明があった後、最後にこう切り出されたそうです。
「僕は洋服のことはよく分からないから頼む」
前澤氏は、「はい」としか返しようがなかったそうです。
なんだか、その時の様子が目に浮かびます。
私の知りうるリーダーシップを持った方もこんな感じの人です。孫氏は、ソフトバンクのみならず、日本の産業全体において、何かリーダーシップをとってくれるような気がしてなりません。
【THINKER(思索家)】「山口 絵理子 マザーハウス社長」
大学のゼミにおいて、「世界にはなぜ豊かな先進国と貧しい発展途上国があるのか」と強い疑問を抱き、アジアの最貧国であるバングラディッシュに飛んで、現地の大学院に入学してしまうというすさましい決断力と行動力を持つ女性です。
先進国がバングラディッシュの特産品であるジュートを買いたたき、自国でバッグを作って高く売っているという現状を目の当たりにし、山口社長はバングラディッシュでバッグを作り日本で売ろうと考えました。
最初はけんもほろろで相手にされなかったものの、現在では8店舗まで店を広げることができました。
山口社長の目標は、店の規模を大きくすることではありません。あくまで、貧困にあえぐ国々が搾取される標的から解放することなのです。
世の中には、どうしようもない問題というものがあります。その問題に、逃げずに考え抜き行動する思索家こそ、賢者と呼べるのではないでしょうか。
壁を打ち破り、強烈な変化を巻き起こせる人が求められています
怖くて誰もできないことを、勇気を持って挑んでくれる人が求められています。
今回ご紹介した方々は、雲の上の人のようですが、私たちにだってできることがあるはずです。
勇気を持って変化を起こした瞬間、とてつもない光を放つことができます。
さて、私たちはいつ、どんな光を放つのでしょうか。
今週の名言:変革せよ、変革を迫られる前に ~ ジャック・ウェルチ
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