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プロフィール

栗田 剛志

Author:栗田 剛志
横浜在住の駆け出しコンサルタントです。
真の士(サムライ)を目指して、刀を磨き続けます。
「刀は錆びていないか・・・」
自問自答の日々です。
父親の興した会社を引き継ぎ、世の中の中小・小規模事業者を同士としてサポートしていきます。

営業力強化の支援
マーケティング戦略立案
店舗運営管理
販売員のマネジメント
ロジカルシンキング
を得意とします。

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583:【誰にも頼らない生き方】

2011/11/21 (Mon) 06:00
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               日経ビジネスに見る「経済先読み・解読」 117号
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                 「日経ビジネス2011年11月21日号 no.1617
              『タフな零細企業に学ぶ~逆転思考で活路を拓く』」より

 今の日本経済の状況は、どう見てもいい訳がありません。超円高、欧州危機、タイの洪水、放射能汚染など、国内外からこれでもかという逆風が日本経済に吹きつけられています。
 大企業ですら揺らぐ強い風に、中小・小規模企業はあっという間にブッ飛ばされてもおかしくはありません。
 そんな状況の中でも、したたかに生き抜く小さな会社があります。
 今週は、そんな会社を三つ、ご紹介します。

 広島県三原市にあるたった4坪のお店に前に、毎朝多くの人の列ができます。
 お店の名前は「八天堂」。クリームパン専門店です。昼前には店頭から商品がなくなるそうです。作るだけ作って売り切れ御免の商売は、最も効率のよい理想的な商売です。「八天堂」のWEBサイトを覗いてみると、オンラインショップでも商品が届くのは、来年の1月以降といった状態です。
 間違いなく売れており、儲かっています。
 パンにしろ、お菓子にしろ、局地的な競争が激しく、市場そのものは飽和しています。開業するのは、業界で何年も修行し、満を持して独立するつわものばかりです。もしくは、ブランドが確立され、低価格のオペレーションがたたき込まれた資本力のあるチェーンです。この状況下で競争を勝ち抜くために、つわものたちはどうやって差別化を図ろうかと考え抜きます。
 差別化を意識して、特徴のある商品を開発しようとすると、どうしても場当たり的になったり、一時的なブームで終わってしまったりします。勝ち続け、生き残るための戦略にはなりません。
 この「八天堂」がとった戦略は、多くの人が長く支持してくれるスタンダード商品を売り物にし、そのスタンダードの中で切り口を変えていくことです。
 嗜好が強く出る特徴のあるパンではなく、日常的に多くの人が食べても飽きのこないクリームパンの開発に努めたのです。
 とにかく飽きずにシンプルな味になるように改良を重ねます。そのコツは、いろいろな食材を付け加えていくのではなく、引き算することだと社長さんが言っています。
 かつて、この「八天堂」も「よい商品」ではなく、「売れる商品」を追い続け、100種類ものパンを扱っていたことがあったそうです。よくある事業拡大なのですが、結局のところ赤字となり縮小せざるを得なくなりました。
 その100種類あったパンのアイテムを絞り込み、一つひとつを丁寧に作ることで今のような顧客の支持を得るようになったのです。
 自分の土俵に引っ張り込む戦略が功を奏しています。

 神奈川県・三崎に「西松」という従業員20名ほどのマグロ問屋さんがあります。「西松の三崎マグロ」という自前のブランドマグロで健闘するこの会社は、取り扱うマグロの量が減少し、価格競争が激しくなるとみるやいなや、それまで行っていた市場出荷や大手加工会社向けの買い付け業務から一転、食品スーパーや飲食店、個人の消費者などの顧客への直接販売に戦略を転換しました。
 顧客がリテールに向かったことで、商品の提供方法が変わります。まず最初に手をつけたのが、マグロの加工方法です。単一商品の生産から多品種少量生産へ切り替えるため、従業員を教育し直し、仕入れから加工、発送、清掃とあらゆる作業をできるように多能工化しました。
 それに加え、この会社の強みは収集した情報を確認し、加工してお客様に提供できることです。
 マグロは、それぞれの個体差だけでなく、漁獲方法やその後の作業の違いも品質に大きな影響を与えます。「西松」は、漁船の性能だけでなく、漁獲の場所や時期といった情報をはるか遠い海の上から衛星回線を使って取り寄せ、三崎の事務所で分析しています。
 港に上がったマグロは、最も厚みがあり冷凍が遅い胴の部分を約1cmの厚さでスライスし、そこだけを解凍してその個体の身質や打ち身状況などを販売時と同じ状態で検品し、評価します。
 この1cmのスライスは、マグロの約1%の重量に相当します。一体何百万円とするマグロですから、1%はあなどれません。そのため、この工程を実施する業者は少ないのが現実です。「西松」は、自前の加工場でこのスライスをネギトロ用の原料とすることでロスが出ないように工夫をしています。
 保管方法や解凍方法、消費者がおいしく感じるようなディスプレイや販売の方法などのマニュアルを整備し、マグロの加工過程でどうしても出る数種類の異なる部位の食べ方やレシピも販売店や消費者に提供しています。
 情報は武器になります。現場に集まる情報を加工し、提供することで差別化を図ることができます。その情報でお金を取ろうと考えてはいけません。手間暇かかる作業ですが、その情報は無償で提供することによって客が客を呼び、本当に買ってもらいたいものが売れていくのです。

 広島にある「酒商山田」は、戦前に創業したどの町にも必ず一件はあるような酒屋さんです。
 失礼かもしれませんが、大抵の町の酒屋さんは疲弊していて、いつ店を閉じてしまってもいいような店ばかりです。そんな酒屋さんにおいては、地域密着型を謳い、いかにきめ細かく対応するかにこだわった町の便利屋さんを目指すことが多くあります。
 しかし、この「酒商山田」は、商品やサービスの内容に特徴を出すことで逆の戦略を取りました。
 酒屋さんにとって売上の主力であるビールに目を向けず、日本酒や焼酎などの販売に特化しました。今では、全国160の酒蔵と取引し、アイテム数にして4800ものお酒を取り扱うようになっています。
 そもそも、酒屋さんにとっては、置くだけで売れる有名銘柄を取り扱うことが最も手っ取り早い商売となります。この「酒商山田」には、そんな売れるお酒は取り扱うことができませんでした。売れない酒を売らざるを得なかったのです。
 そのために、飲食店の要望を最大限に聞き、どんな料理を出しているのか、客単価がどれくらいなのか、どういった商売をしたいのかを徹底に聞きます。そして、その店の料理にあった酒をリーズナブルな価格で提供できるように薦めることをしました。
 店側からすれば、多くの種類の酒を持つ山田と取引すると、これまでのように複数の取引先から購入する必要なく、仕入れたいお酒を無理なく一本化して購入することができます。
 この方法によって、お得意様は、地元の個人客だけでなく、全国の飲食店など1000を超えるに至っています。
 町の酒屋が全国を相手にすることで、地元では売れない酒でも売ることができ、それがさらに多くの酒を集めるきっかけとなって、新たな客を引き寄せているのです。

 これら3社は、特定の取引先に依存していません。仕入れも販売も、自分たちで考え、選び、交渉しています。
 今、最も疲弊しているのは、これまで特定の取引先から仕事を与えられていた中小・小規模企業です。自らの手で選択肢を作ることができない、あるいは選択肢を与えられることすらありません。交渉の余地もなく、受けいれるか、待つかしか方法がない企業が最も苦しんでいます。
 八天堂がクリームパンに特化したのは2007年、西松の三崎ブランドを確立したのは2008年、とそれほど昔の話ではありません。短期間で戦略を変えることができています。
 今こそ、誰にも頼らない生き方へ舵を切るのです。

今週の名言:私は目的地を知っているが、選手自身に道を見つけてもらうことを望んでいる ~ ジョゼ・モウリーニョ
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テーマ : ☆経営のヒント☆ - ジャンル : ビジネス


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