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栗田 剛志

Author:栗田 剛志
横浜在住の駆け出しコンサルタントです。
真の士(サムライ)を目指して、刀を磨き続けます。
「刀は錆びていないか・・・」
自問自答の日々です。
父親の興した会社を引き継ぎ、世の中の中小・小規模事業者を同士としてサポートしていきます。

営業力強化の支援
マーケティング戦略立案
店舗運営管理
販売員のマネジメント
ロジカルシンキング
を得意とします。

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625:【周到な布石が価値を生む】

2012/01/30 (Mon) 06:00
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               日経ビジネスに見る「経済先読み・解読」 126号
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                  「日経ビジネス2012年1月30日号 no.1626
           『こうすればできる多角化戦略~社内資源をつなげて価値創造』」より


 事業を拡大する―
 これは、事業を営んでいる者であれば誰もが考えることです。日本経済が拡大基調にあった以前は、今ほど難しいことではありませんでした。
 2009年の夏、墨田区が実施した製造業調査で、私が区内の製造業150社を巡回したときのことです。プレスにしろ、印刷にしろ、溶接にしろ、家の一階に機械をいれて起業すれば、一日中機械を回し続けるだけの仕事がありました。仕事がなくなれば、ちょっと近所を回って仲間に声をかけると仕事がでてきました。
 この時代、事業を拡大するとは、一台だった機械を二台、三台と増やしていくこと、あるいは、自分と同じことができる職人を一人、二人と増やしていくことでした。
 経済が成熟し、市場のプレーヤーが過剰となっている現在では、同じ仕事で事業を拡大することが難しくなっています。仕事の奪い合いとなり、価格でしか競争上の優位性を確保できなくなっています。
 先ほどの墨田区では、巡回した150社のうちの半分は廃業寸前でした。リーマンショックがあった翌年の夏のことだったので、一番厳しい時期だったこともあります。もう2年半前のことなので、私が回った事業者さんたちのいくつかは、すでになくなっているかもしれません。
 多角化なくして、事業の拡大は難しい状況となっているのです。
 今週は、積極的なM&Aで事業を拡大し、世界有数のモーターメーカーとなった「日本電産」の永守社長が、事業の多角化についての考え方を述べています。私たち中小・小規模企業にもできることがありそうです。

 事業を拡大するにあたり、様々な戦略が考えられますが、そのうちの一つに「多角化」があります。
 多角化というと、「本業に近いところでやるべきであり、落下傘的な事業拡大はダメだ」ということが定石となります。
 永守社長は、この定石に対して、「多角化の基本は本業の深堀りというが、大半はそれで失敗しているではないか」と異論を唱えています。
 永守社長は、多角化のポイントを「つながり」だといっています。
 「つながり」とは、技術や営業といった社内の資源をつなげ融合させて目標を目指していくことです。
 精密モーターの日本電産が、かつて自動車部品と計測機器メーカーである「トーソク」、プレス製造業の「キョーリ」、デジタルカメラ用シャッターやレンズユニットなどのカメラ部品の「コパル」を買収した時、「何で本業と関係のない会社を買うんだ」と言われたそうです。
 この時、永守社長の頭には、「今後精密モーターの技術が一変する」という予想がありました。
 それまでのモーターは、内部のシャフトとそれを包む軸受けの間に、ボールベアリングを入れるタイプが中心でした。それがやがて、ベアリングの代わりに潤滑油を入れる流体軸受けになると言われていたのです。
 その背景は、精密モーターを使うハードディスクの急激な高密度化です。高容量のディスクを読み取るために、安定して高い精度で高速回転を続けられる流体軸受けが必要とされていたのです。
 当時の日本電産には、十分な技術を持ちえていなかったため、「トーソク」と専用の計測器を開発し、「コパル」の金型技術と「キョーリ」のプレス技術で精密部品のプレス加工を可能にしていきました。
 このケースのように、市場の変化が思惑通りにいくとは限りません。それでも、目標を定め、そこに至る道筋として社内にない経営資源のマス目を一つひとつ埋めておく必要があるのです。これにより、急激な変化がやってきても、即座に対応することができるのです。
 具体的な目標を立てて、経営資源の「つながり」を作ることこそが、多角化、並びに事業拡大のポイントと言えます。

 私たち中小・小規模企業には、日本電産のようなM&Aは考えにくい事例となります。しかし、企業の買収を人材の採用と考えてみてはいかがでしょうか。
 新しい市場を目指す際に、技術の獲得はもちろんのこと、その業界における人脈があり、業界内の慣習や情報などを知る人材を得ることが重要になります。
 日本電産においても、この部分は欠かしていません。
 例えば自動車市場は、1車種の開発期間が3~4年と長く、開発も完成車メーカーと協業の部分が多くなります。世界に膨大な販売店とメンテナンス網があり、それへの対応も必要となります。この業界に対応するには、人脈と商権を丸ごと買うつもりでのM&Aをしていかないと、時間ばかりがかかってしまいます。
 規模こそ違えど、私たち中小・小規模企業が異なる市場へ出ていく場合は、その市場に精通した人材を採用していく必要があります。
 そして、採用した人材にその人の得意な市場だけを任せるのではなく、これまでの事業につなげることで新しい価値を生み出してこそ、成功と言えます。その新しい価値とは、漠然として生まれてくるものではありません。具体的な目標を立て、明確な戦略をつなげることで多角化、あるいは人材の採用の本当の価値を生み出すものなのです。

 先週のメルマガでは、「利益優先ではなく、貪欲に売上を追求して成長を目指そう」ということを述べました。
 今週私がお伝えしたいことも、「新市場を目指し、事業の拡大を図りましょう」ということです。事業領域の拡大とは、顧客に新たな価値を提供することなのです。
 やり方は、事業者さんそれぞれ異なります。念頭においていただきたいのは、今の仕事の量を増やすことで拡大するのではなく、事業自体の組合せで新しい価値を生み出し、事業を拡大していくということです。
 自社にない経営資源を取り込む際に最も実現性が高いのは、人材の採用です。M&Aはできなくとも、知識やノウハウをもった人材の採用はできるはずです。
 私たち中小・小規模企業にとって大きな投資になりますが、周到な布石こそ新しい価値を生むことにつながるのです。

今週の名言:すべてのものは変化する。変化するものは互いに関係しあって変化する。よろこびも悲しみも変化の中にある。逆に変化できないものは取り残され、その差がより一層開くことになる。~ 武田泰淳

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テーマ : ☆経営のヒント☆ - ジャンル : ビジネス


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