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プロフィール

栗田 剛志

Author:栗田 剛志
横浜在住の駆け出しコンサルタントです。
真の士(サムライ)を目指して、刀を磨き続けます。
「刀は錆びていないか・・・」
自問自答の日々です。
父親の興した会社を引き継ぎ、世の中の中小・小規模事業者を同士としてサポートしていきます。

営業力強化の支援
マーケティング戦略立案
店舗運営管理
販売員のマネジメント
ロジカルシンキング
を得意とします。

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635:【強い会社とは】

2012/02/13 (Mon) 06:00
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               日経ビジネスに見る「経済先読み・解読」 128号
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                  「日経ビジネス2012年2月13日号 no.1628
                   『再生の研究~危機が磨く顧客目線』」より


 震災直後、消費自粛の波により生活実需品以外は売れなくなりました。家で食事をとる人が増え、町の飲食店はガラガラでした。遊ぶ気分になれないと観光地やレジャー施設には予約のキャンセルが相次ぎました。ゴルフ場もしかりです。自粛ムードに多くのゴルフ場が集客難に陥りました。
 そんな中でも震災を機に自分たちが目指すべき事業の姿を見出したゴルフ場があります。
 今週は、幾多のピンチを変革のチャンスに変えてきた企業についてのお話です。

 「鹿沼グループ」は、栃木県内に3コース、静岡県に1コースのゴルフ場を運営する会社です。かつては、ワンマン経営とバブル期の投資が仇となり、会社自体が機能不全に陥りました。
 1998年の秋、当時の社長さんが倒れられ、急きょ呼び戻されたのが銀行出身の今の社長さんです。財務の状況を確認すると、事実上の経営破たん状態に陥っていました。六本木のレストランやアスレチックジム、画廊といったバブル期の遺産はことごとく赤字でした。役員も50名と大企業並みに抱えており、ゴルフ場の集客数は地域でトップであったものの、負債と未払いで首が回らない状態でした。
 最初のピンチです。そこで社長さんは、経営再建に取り組みます。
 まずは、役員の定年制を導入し、12名まで減らしました。本部の部長以上の給与を2割カットし、ゴルフ場勤務の従業員の給与カットも行いました。キャディーと営業担当者を個人事業主化して、職業別の賃金制度も導入しました。
 また、赤字施設を次々と閉鎖し、2年間をかけて止血作業を終えました。
 その間、不信感を抱いた社員は会社を去り、不満が鬱積した役員は病床の前社長の下に逃げ込み、古参社員との対立も激しくなりました。
 社長さんとしてつらい思いもしたと思います。文章で書くほど簡単なことではありません。それでも、過去からの膿を出し切ることで、ようやく利益の出る体質に変えることができたのです。

 2002年、こうして攻めの体制が整ったと思った矢先、メインバンクの足利銀行が国有化されました。これにより資金の目途が立たなくなり、民事再生法の適用を余儀なくされてしまったのです。
 この社長さんは、民事再生法の適用という2度目の大きなピンチをきっかけに、サービスの品質強化に取り組みます。
 これまで、鹿沼グループのゴルフ場は、土日の来場者をキャパシティ以上に取り込み、「詰め込み進行」で悪名高いゴルフ場でした。これは、借金の返済のために、顧客満足は二の次で集客をする必要があったからです。日没で回りきれないお客さんが出るなど、サービス以前の問題でした。
 それが、民事再生法の適用によって借入金や預託金返還の負担が軽くなり、休日の客を減らすことができるようになったのです。
 休日の客が減る分は、売店でのフェアを催したり、女性向けのサービスを強化したりと平日の稼働率を上げるための取り組みを行いました。
 また、企業理念の構築を手がけました。
 「経営破たんに陥った要因は、その時々で事業の方向性がぶれたことにある。同じ轍を踏まないためにも、従業員の中に確固たる軸を設ける必要があった」と社長さんは言っています。
 「私たちを取り巻くすべての人々の笑顔を生み出す」というミッションを定め、「『また来たい』と思ってもらえるゴルフ場を目指す」というビジョンを掲げました。
 そして、その理念を貫くために、具体的にすべきことをまとめたものが「12の約束」です。
 「お客さま第一で行動します」、「笑顔で挨拶します」、「感謝の心を大切にします」などといった、お客様に喜んでもらうために全社員がすべきことを定めました。

 そして震災。3度目のピンチです。
 今度は、業務改革に取り組みました。
 ゴルフ場は、プレーヤーの流れに沿って業務が発生するため、忙しい時間帯が部門によって異なります。
 朝はチェックインのお客様に対応するためフロントが多忙を極めます。フロントがひと段落すると9ホールを終えたプレーヤーがレストランに人が集まり始め、厨房や配膳スタッフの仕事が忙しくなります。調理場がひと段落すると今度は帰宅客の対応が忙しくなります。
 そこで鹿沼グループでは、一人の社員が現場の忙しさに応じて様々な部門を担当できるような「マルチ化」に取り組みました。この仕組みを入れることで人時生産性(従業員一人が一時間に稼ぐ粗利益の金額)を上げることができます。
 マルチ化の副産物として、顧客との対話の機会が増えています。フロントにいた従業員がレストランでも業務をしている姿を見て、「君は一体、いくつ仕事をしているの」と声をかけられるそうです。ここから顧客との会話が生まれ、従業員も顧客の顔と名前を覚えることができるのです。
 震災後、全コースの来場者データをみると、来場者に占める会員メンバーの比率が5%ほど上がっていました。大変な時期にでもゴルフ場に足を運んでくれるのは、ゴルフが日常生活に深く入りこんでいるメンバーであり、メンバーこそが長く付き合ってくれる存在であることがわかったのです。
 「会社が窮地に陥った時でも、足を運んでくれる顧客を大切にしよう」
 震災をきっかけに、真に大切にすべき顧客像が浮き彫りになりました。
 今、鹿沼グループが目指しているのは、来場者のリピート率向上です。年に9回利用している顧客に、10回足を運んでもらおうというものです。
 長く付き合ってもらうために、地場に密着し、地元の雇用を安定させ、地元の業者とともに経済を循環させていくことを目指していきます。
 震災でのピンチが気付かせてくれた大事なことでした。 

 ピンチに陥るたびに鹿沼グループは強くなっていきます。それはまるで、トーナメントにおいてギリギリの勝ちを拾いながら強くなり、しまいには優勝してしまうサッカーチームのようです。
 鹿沼グループが目指しているのは、「強い」会社です。
 「強い」とは、規模が大きいこととは違います。社長の考えや意思が従業員を通じてお客様にきちっと伝わることです。
 私たち中小・小規模企業こそ、強くなれるのです。
 強い会社こそ、永続的に成長できるのです。

今週の名言:革新は、実はたわいのない「夢」を大切にすることから生まれる ~ 井深大
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テーマ : ☆経営のヒント☆ - ジャンル : ビジネス


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