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プロフィール

栗田 剛志

Author:栗田 剛志
横浜在住の駆け出しコンサルタントです。
真の士(サムライ)を目指して、刀を磨き続けます。
「刀は錆びていないか・・・」
自問自答の日々です。
父親の興した会社を引き継ぎ、世の中の中小・小規模事業者を同士としてサポートしていきます。

営業力強化の支援
マーケティング戦略立案
店舗運営管理
販売員のマネジメント
ロジカルシンキング
を得意とします。

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640:【オセロの角を取れ】

2012/02/20 (Mon) 06:00
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               日経ビジネスに見る「経済先読み・解読」 129号
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                 「日経ビジネス2012年2月20日号 no.1629
                 『強さの研究~100円が生む合理』」より


 「そんなことしても無駄だよ」
 これまで何度も耳にしてきた言葉です。私自身もどこかで発していると思います。既成概念にとらわれ、試み自体が否定されます。
 一方で、無理だと誰もが諦めることに対し「どうにかしてできないか」とトライし、実現することこそ本当の強みとなり、競争優位性につながるのです。
 実現するのは時間がかかるかもしれません。成功させるには、数々の難問を解決していく必要があります。ただ、それなしには、強さは生まれないのです。

 100円ショップの業界2位に「セリア」という企業があります。独自の発注支援システムを持ち、日用雑貨を取り扱う小売各社の中で「セリア」はトップクラスの営業利益率を誇ります。
 100円ショップは比較的新しい業態です。1990年代の後半、日本が深刻な不況に見舞われている中で「なんでも100円」を武器に登場しました。
 「デフレの旗手」と呼ばれ、急成長を果たした100円ショップも、2000年代中ごろになると拡大に陰りが見え始めます。100円ショップに押された他の小売業態が価格競争力を強化したため、100円という安さや業態の目新しさそのものが陳腐化してしまったからです。
 そこで、「セリア」の社長さんは、こう考えました。
 「かつて100円で売りさえすれば客が飛びついた。だが時代は変わった。競争に勝ち抜くには需要を緻密に反映する売場を作るしかない」
 この言葉の意味を理解するには、100円ショップのビジネスそのものの特徴を前提として踏まえなければなりません。
 どんな業態であれ、商品の売れ行きは需要と価格の関係で決まります。需要も価格も常に変動するので、合致点を見出すのは非常に難しいものです。逆を言えば、ここを正確に把握することができれば、売れるものを売れるだけ仕入れることで販売効率が劇的に向上します。これを実践するためのシステムにPOSがあります。POSがないところは、人の勘や経験に頼ることとなります。
 一方、100円ショップというのは、需要と価格というバランスにおいて、価格をコントロールすることを放棄したビジネスと言えます。商品が売れないからといってスーパーのように価格を下げて売り捨てるわけにはいきません。
 だから、この社長さんは、100円を基準とした需要の動きを精緻に見極めることを目指しました。
 小売の発注現場は今でも「勘と経験」に支配されています。特に100円ショップは、ほかの小売企業に比べてIT化やPOSの導入が遅れています。
 100円ショップの商品を売上順に並べると、典型的なロングテールになります。売れ筋商品を大量に積み上げるだけでは、他の小売業態にかないません。売れるか売れないか分からなくても目新しい商品を並べて顧客にアピールし続けなければならないのです。これまで100円ショップにPOSが広まらなかった理由がここにあります。
 しかし、このセリアの社長さんは、「100円で売れるものを次から次へと仕入れて店頭に並べ、顧客を驚かせたり楽しませたりしながら売り切る」という業界の勝ちパターンに疑問を持ち、「100円ショップにPOSシステムを導入しても意味がない」という既成概念を打ち破るために店頭公開して得た資金の大半をPOSシステムなどの設備投資に費やしたのです。
 POS導入当初はうまく活用ができませんでした。前例がないだけに、POSデータの活用方法を見出せなかったのです。
 突破口となったヒントは、金融機関で利用している融資の判断システムです。銀行が融資の判断の際に使う「信用」と小売業が商品発注の判断に使う「需要」が似ていることに注目し、人間の恣意性を排除して需要を反映するシステムを作り上げました。
 現場への導入の際には抵抗がありました。それまで自分の勘と経験を信じて商品発注をしてきた従業員さんに、「これからはコンピューターが自動的に発注してくれるので何も判断しなくていい」と言っているようなものです。
 社内を説得するために、ベテランの従業員さんがシステムを使わずに発注した際の売上とシステム導入に積極的な経験の浅い従業員さんの売上を比較して、後者が勝ることを証明してみせました。
 セリアでは、発注を決めるのはシステムであり、社長も幹部も取引先も、誰もそのプログラムには干渉できないのがルールなのです。
 この独自の自動発注システムが、セリアの高利益率を支えています。

 私がここで言いたいのは、システムの良し悪しではありません。人の知恵による発注への工夫を排除したシステムの活用方法でもありません。
 「システムなんて意味ないよ」という業界の常識を覆し、リスクを取って実施した姿勢こそが今のセリアの状況を作っているのです。
 優れた勘と経験を持つベテランの従業員さんならば、システムなどなくても精度の高い発注ができるかもしれません。しかし、その方が「店で456番目に売れている商品は何か」を把握することはできません。
 さらに、その商品が全店ベースではどれだけ売れているのか、その商品を売場から外すとしたら代わりに置くべき商品は何か、新しい商品はどれだけ売れる可能性があるのか、といったことはわかりません。
 100円ショップでは検証すべき項目が多すぎてすべてを把握することができないからこそ、勘と経験に委ねられてきました。セリアは、そこをシステムに置き換えることに成功したのです。

 勢いよく店舗拡大していれば成長できる時代は終わっています。小売市場のフロンティアはなくなりつつあります。その中で成長を目指すには、要衝を押さえていく必要があります。
 セリアで言えば、受発注を含めた店舗のオペレーションや物流の改革であり、ブランドの一新や店舗のダウンサイジングがそれに当たります。
 この要衝こそ、オセロでいう四つ角にあたります。競争の舞台が小さくなる中でも四つ角さえ押さえておけば、形勢を逆転するチャンスはいくらでもあります。
 成長のための要衝、生き残るための要衝とは、「無駄だよ」や「意味ないよ」と言われていることかもしれません。

今週の名言:負けると思えば負ける、勝つと思えば勝つ。逆になろうと、人には勝つと言い聞かすべし ~ 豊臣秀吉

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テーマ : ☆経営のヒント☆ - ジャンル : ビジネス


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