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日経ビジネスに見る「経済先読み・解読」 172号
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「日経ビジネス2012年12月24-31日号 no.1672
『2013年ヒット商品大予測』」より
2012年もあと数日で終わりです。みなさんにとって今年は良い年だったでしょうか。
私にとっての今年は、独立して4年目に当たりました。サラリーマンを辞めてからというもの、その時々でいただける仕事の内容が大きく変わる私にとって、今年は長期的なテーマで仕事に臨んだため、比較的安定した一年となりました。
別の見方をすると、それだけ変化が少なく、成長の度合いも低かったのかもしれません。
社会全体を見ると、東京スカイツリーの開業やオリンピックのメダルラッシュなど明るい話題が日本の消費をけん引しました。
一方で、パナソニックやシャープ、ソニーといった日本を代表する電子機器メーカーの業績が大幅に悪化し、大規模なリストラが実施されています。
年末のドタバタの中で選挙が行われ、民主党による3年3ヶ月におよぶ政権運営が終了し、自民党による体制に戻ることとなりました。
このような状況を踏まえて、来年はどんな年になるのでしょう。
ヒットにつながるキーワードを拾ってみます。
「大家族」
不安定な雇用環境や税・社会保険料の負担増が家計に重くのしかかります。自民党は、脱デフレを掲げていますが、給与所得が年々減少している中で、デフレから抜け出すことは至難の業です。
厳しい環境を克服するために、ライフスタイルそのものが変化してくる可能性があります。それが、「大家族」です。
若い世代の収入が不安定であったり不況によるリストラなどによって、夫が家計を支え、妻が子育てを担うといったこれまでの核家族のあり方を続けられない家庭が増えています。
そこで、夫婦を中心に、それぞれの親や兄弟姉妹、子供が集まり、人的・経済的資源を集中させてリスクや負担を分散する動きが強まっています。
親子で同じ敷地内に家を構えたり、マンションの上下階に住んだりと、世帯は別でも実際は一緒に生活している家庭も多くなってきています。
2012年のブームのひとつに、「一族BBQ(バーベキュー)」というものがあります。これは、家族や親族が一緒にBBQをするだけのことなのですが、本来夏にしか売れなかったBBQ関連商品が、4月から10月まで売れ続けるなど、販売に大きな変化が生じたほか、今まで1~2人世帯向けに商品の少量化を進めていた流通業者も、大人数向けのオードブルなどを強化しています。
家族が集まる機会が確実に増えているのです。
「消費税上げ目前」
2014年4月から8%、2015年10月から10%と、まだ確定したわけではありませんが、近い将来に消費税は増税されます。
この消費税率引き上げを前に、住宅、車、家電、家具などの高額耐久消費財の駆け込み需要が予測されます。
しかし、そのインパクトは、1997年に3%から5%に引き上げられた時ほど大きくないようです。
その理由は、住宅エコポイントや家電エコポイント、エコカー減税・補助金によって、家や家電、車の買い替え需要はすでに食いつくしてしまっているからです。
駆け込みを期待して、これまで通りに商品を並べれば売れていくわけではないようです。
同じ役割を果たしながらこれまでとは違うもの、同じ買うでもよりお得感を打ち出せる方法など、新たな需要を掘り起こすやり方を考えなければなりません。
「ニッポン、再発見」
2013年も外交面では、緊張が続きます。尖閣諸島や竹島問題は、日中・日韓関係の溝を深め、今年発生した中国における日本製品の不買運動やデモは、いつ再発してもおかしくありません。
ナショナリズムに傾倒するきっかけはいくつもあります。
今、日本は、衣料品の約7割、家電製品の半数以上、ほとんどの冷凍食品を中国からの輸入に頼っています。
あからさまに「NO」を突き立てる中国に対して、私たち日本人が、「もう中国の製品は買わない」となってもおかしくはありません。
実際に、脱中国は進んでいます。
例えば冷凍食品では、北海道や九州の野菜の産地がJAや食品メーカーと手を組んで地元産の冷凍食品を販売し始めました。
大手小売PB(プライベートブランド)でも国産の冷凍食品の開発が進んでいます。
国内を見渡せば、まだ活用しきれていない資源や、やり方の工夫で外に出さなくでも済むことがたくさんあります。
身近にあるニッポンの魅力を再発掘することが、良い意味でのナショナリズムにつながっていきます。
今週は、仕事納めとなります。土日の関係で例年より正月休みが長い人もいらっしゃるのではないでしょうか。
一年を振り返り、来年の目標を立てる。
単純で当たり前のことですが、これをしっかりやるとやらないで、新しい年の質は大きく変わってきます。
あわただしい中でも、時間を作ってぜひ取り組みたいことです。
よいお年をお迎えください。
今週の名言:始めることさえ忘れなければ、人はいつまでも若くある ~ マルチン・ブーバー※今年のブログは今日までとします。
一年間ご愛読ありがとうございました。年明けは1月4日から再開いたします。
本年中ありがとうございました。来年もよろしくお願い申し上げます。
よいお年をお迎えください。
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