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プロフィール

栗田 剛志

Author:栗田 剛志
横浜在住の駆け出しコンサルタントです。
真の士(サムライ)を目指して、刀を磨き続けます。
「刀は錆びていないか・・・」
自問自答の日々です。
父親の興した会社を引き継ぎ、世の中の中小・小規模事業者を同士としてサポートしていきます。

営業力強化の支援
マーケティング戦略立案
店舗運営管理
販売員のマネジメント
ロジカルシンキング
を得意とします。

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904:【未来しか見えなかった】

2013/03/25 (Mon) 06:00
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               日経ビジネスに見る「経済先読み・解読」 184号
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                 「日経ビジネス2013年3月25日号 no.1684
                 『利他の精神、「俺の」証明~坂本孝』」より

 「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」という予約がなかなか取れないレストランをご存じでしょうか。
 2011年9月に俺のイタリアン1号店が、2012年5月に俺のフレンチ1号店が開業し、瞬く間に予約御取れないお店となりました。今は、焼き鳥や割烹にまで広がり、全部で11店舗あります。
 私がこの店の話を聞いたのは、昨年の秋にマーケティングの講座を立教大学で受けていた時のことです。
 その時の講師が、「みなさんは、『俺のフレンチ』ってレストランを知っていますか」との問いかけとともに、 「他のレストランでは何千円とする料理がこの店では千円ちょっとで出てくる。ワインを飲んで、おなかいっぱい食べても3000円程度だ」といったことを言っていました。
 これこそが口コミです。マーケティングの先生から、「あの店はすごい」と聞いたら、一度は行ってみたくなります。
 チャンスを伺っていたところ、私がよく通っている神谷町に「俺のイタリアン」がオープンしていたのです。店を見つけた日は、仕事を早々に切り上げ、さっそく食事をしました。
 店内は、着席用のテーブルが4つほどある以外は、立食形式です。メニューは本格的なイタリアンで、ボリュームがあります。しかし値段は一皿1000円前後で、とても割安感があります。複数で行ってシェアしながらいろいろな種類を食べるのが楽しいのではないでしょうか。私も十分に食事を楽しませてもらいました。
 しかし、立食であるため、おなか一杯になり酔いが回ってくると、長居はできなくなります。食事に満足したことと、立っての食事による疲れにより、1時間ちょっとで店を後にしました。
 店を出ると、外にはテーブルの空きを待つ人の列ができていました。

 この一連の流れ、どういうことかお分かりになるでしょうか。
 まさに、仕掛け人の思うつぼです。
 この仕掛け人こそ、ブックオフの創業者である坂本孝氏です。
 坂本氏は、2007年にブックオフコーポレーションの会長を退任後、2009年にそれまで全く経験のない飲食業界に身を投じました。泣かず飛ばずの状態が続くも、改めて飲食業界の現状を洗い直したところ、東京で繁盛している飲食店は、過半数がミシュランの星付きレストランだということがわかりました。
 一方で、デフレの象徴であるような立ち飲み屋も繁盛しています。
 一般的な飲食店の寿命は非常に短いものです。この厳しい状況下で圧倒的な差別化を図る方法はないかと考え抜いた末に辿りついた発想が、「一流の料理人が腕を振るう立ち飲み屋」です。
 人件費と材料費を湯水にように使い、高級食材を使った料理を1000円台で出すという、無謀とも思えるビジネスモデルでも、坂本氏の頭の中には数字に裏打ちされた確信がありました。
 シェフは人材紹介会社を介して、星付きレストラン出身のシェフを次々とひき抜いていきました。
 坂本氏は、こう言います。
 「食材の原価率を60%以上に設定しても、1日3.5回転すれば1店当たり1か月100万円以上の利益がでる。時間制の立ち飲み形態なら、1日に4回転以上も可能だ。本格的な料理が破格の値段で食べられれば口コミが生まれ、宣伝費をかけずして集客もできる」
 私は、まさにこの術中にはまっていたのです。

 ここまで分かりやすい戦略がうまくいっているビジネスも少ないのではないでしょうか。
 ブックオフにしてもそうです。目利き重視という古本屋経営から、本の美しさと新しさだけで誰でも値付けできる仕組みを作り、新刊書店に近い古本屋という新しい価値を創造したのも、この坂本氏です。
 「お売りください」というキャッチコピーに促され、顧客はブックオフで買った本を再び売りに出します。1冊の本が何回転もすることで、売り上げが2倍3倍になります。
 あの京セラの稲盛氏に、「あなたは商売の天才ですね」と言わしめた男こそ、この坂本氏なのです。

 「俺の」レストランの話を聞いた時、私は金持ちの道楽事業だと思いました。ブックオフで当てて持てあますおカネで始めた事業だと思ったのです。
 しかし、そうではありませんでした。この坂本氏、メチャクチャ浮き沈みの激しい人生を送ってきています。
 慶応大学を卒業後、父親が経営する精麦会社に入社するも、30歳を前に家業を継ぐことを断念し、70年代にオーディオ販売事業に乗り出します。しかし、5年で倒産し、30代半ばにして2億円の借金を抱えました。
 その後、中古ピアノ販売事業や流通業に携わり、50歳でブックオフコーポレーションを創業しました。
 2004年に東証2部に上場し、翌年には1部に指定替えとなります。坂本氏は、時代の寵児ともてはやされるも、 2007年に不正会計の告発によって会長を退任することとなりました。
 そして、「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」が急成長を遂げるさなか、今度は頚椎損傷の重傷を負ったのです。
 半身不随の身を横たえた病室のベッドの上で、何を考えていたかについて、坂本氏はこう言っています。
 「俺のイタリアン、俺のフレンチの経営計画書が脳内を巡る。それを書き込むんです、頭の中に。社員の顔を思い浮かべ、誰をどう幸せにするかを、年収という具体的な数字に置き換えて考えると、5カ年計画がでてくるんです。重篤の時は過去の出来事が走馬灯のように見えるなんていうけど、僕には未来しか見えなかった」
 絶望の淵に居ながら、未来のことを考える。本物の経営者だからできることなのでしょう。
 なかなか真似のできないことです。恐れ入りました。

今週の名言:情熱のないところに執念はなく、意欲のないところに情熱もない ~ 西堀栄三郎


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テーマ : ☆経営のヒント☆ - ジャンル : ビジネス


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