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栗田 剛志

Author:栗田 剛志
横浜在住の駆け出しコンサルタントです。
真の士(サムライ)を目指して、刀を磨き続けます。
「刀は錆びていないか・・・」
自問自答の日々です。
父親の興した会社を引き継ぎ、世の中の中小・小規模事業者を同士としてサポートしていきます。

営業力強化の支援
マーケティング戦略立案
店舗運営管理
販売員のマネジメント
ロジカルシンキング
を得意とします。

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1071:【動機の純粋さ】

2013/12/02 (Mon) 06:00
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               日経ビジネスに見る「経済先読み・解読」 218号
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                「日経ビジネス2013年12月12日号 no.1718
               『旗手たちのアリア~ブライダル業界に新風』」より


 皆さんはご自分の結婚式のことを覚えていらっしゃいますか。
 私が結婚式を挙げたのは、1997年10月18日でした。フレンチレストランの「ひらまつ」が原宿に構えていた「メゾン・ド・オペラ」を貸し切って、当時では流行の走りであったレストランウエディングを行いました。残念ながら、この「メゾン・ド・オペラ」は、今はもうありません。
 私たちの結婚式のコンセプトは、「形式ばらずに、フラッと入ったレストランでたまたま結婚式に出くわした」くらいのラフな披露宴にすることでした。
 そのため、一般の結婚式にあるような、お色直しや父親への手紙といったイベントはありせん。新郎新婦が皆の座るテーブルを回っておしゃべりをしながら料理を楽しむというものでした。
 そのかわり、料理にはこだわりました。フレンチで有名なひらまつですから、それ相当の料理でお越しいただいた方々をもてなすことができました。
 もうひとつこだわりは、できる限り手作りのものでもてなすことです。テーブルにあらかじめ置かれるメニューや座席表などは、すべて私たちの手作りにしました。確か、ウエルカムボードも手作りだったと記憶しています。
 引き出物も、3カ所くらいから買い集めて持ち込み、自分たちの手で袋に入れる作業をして準備しました。
 極めつけは、披露宴後です。友達からオープンカーを借り、車の後ろから空き缶をいくつも引きずって、原宿から六本木のホテルまで走ったのです。
 人手の多い土曜日の東京のど真ん中で、オープンカーに乗ったウエディングドレスの妻とその隣でハンドルを握る私は、否応なしに目につきました。
 信号で止まるたびに周囲の注目を集めたのですが、中でも外人さんたちが大きな声で祝福の声をかけてくれたことを覚えています。

 このような結婚式にしようと思ったきっかけは、今となっては思い出せません。おそらくどのカップルもそうでしょうが、男の私よりも妻のほうが中心となって、結婚式の決めごとについて打ち合わせを進めていました。
 今のように、インターネットも発達していませんでしたので、情報は雑誌か現地に赴いて話を聞くくらいです。 できる限りおカネをかけないようにと、極力自分たちの手で準備を進めたのですが、結果的な収支は赤字でした。
 一般的に、結婚式や披露宴を取り仕切るブライダル業界は、サービスとコストの関係がガラス張りではありません。結婚式を計画するカップルが手にする情報は、ブライダル業界からの一方通行がほとんどです。結婚式場のカタログや情報誌に記載されている費用見積りと実際の費用明細の間に100万円もの差があったなんて話も多いのが現実です。
 考えてみれば、当たり前なのかもしれません。飲食店なら、おいしければ毎月のように通います。車だって何度か乗り替えます。家だって買い替える人がいるのに、結婚式は、普通なら一生に一度きりのものです。リピーターがほとんど存在しない産業には、サービス改善のモチベーションが働きにくいものです。
 こうした商習慣が残るブライダル業界の透明性を高めようとしてできたのが、結婚式場選びの口コミサイト「みんなのウエディング」です。

 「みんなのウエディング」のサイトを拝見すると、結婚式場の情報の下に、結婚式場を下見または利用したカップルからの口コミがずらりと並んでいます。「本音口コミ」と呼ばれる投稿は、300文字以上で書くことが義務付けられており、施設やスタッフ、料理の評価に至るまで、ユーザーからの本音の評価が詳しく投稿されています。
 「リアルな費用明細」では、実際に払った費用明細そのものが写真で掲載されるなど、結婚式を検討中のカップルがまさに知りたい情報で溢れています。
 このサービス、もともとは「モバゲー」で有名なディー・エヌ・エーの新規事業として2008年に始まったものです。
 ユーザー本位のサービスを作ろうと、サービスの武器となる本音の口コミを集めるため全国を飛び回ったのですが、食べログのような飲食店口コミサイトと違って、結婚式場は再度利用する可能性が低いため、口コミを書く人の動機も薄れてしまいます。
 なんとか挙式を終えたばかりの新婦を集めて、自由に結婚式の感想を書いてもらうと、「料理がおいしかった」「ウエディングプランナーの対応が不満だった」などと短い感想ばかりでした。これでは、とても本音の口コミなどとは謳えません。
 「最初に長文の口コミがあれば、次に書く人も熱のこもった書きこみを書いてもらえる」と考え、質問項目を細かく分けることで長文を書きこみやすい工夫をし、サービス開始から1年をかけて、ようやくコンテンツを充実させました。
 それでも、収支は鳴かず飛ばずの状態です。当初のビジネスモデルは、結婚式場からの広告収入がメインです。2008年12月から広告を売り始めたものの、式場からは全く相手にされませんでした。
 それもそうです。最大の売り物である「本音の口コミ」や「リアルな費用明細」は、結婚式場にとってみれば触れては欲しくない部分です。中でも、費用明細は、仮に同時期に同会場で結婚式を挙げたとしても、予約のタイミングやオプション金額によって値引き額に差がつきます。どんぶり勘定とは一概に言えないのです。
 しかし、その後も全国の式場への営業をひたすら続けたことが功を奏し、式場の方も徐々に態度を軟化させ、広告収入が増えていきました。
 「みんなのウエディング」が営業を開始してから約6年、月間の閲覧ページ数は約1500万、ユニークユーザー数は250万人に達し、提携する結婚式場も5000を超えました。

 みんなのウエディングの飯尾社長がブライダル業界にこだわる理由は、自らの結婚式にあります。それは、不満ではなく、幸福だったという意味においてです。
 2003年に挙げた挙式は、飯尾社長にとってみれば、「妻のためであった」と言います。準備はほとんど奥さんに任せきりでした。
 ところが当日を迎えると、奥さんの両親や親戚、それに近所の人たちまでもが、新しい息子を迎えるために奥さんの生い立ちを楽しく語ってくれ、「皆もこの体験を味わってほしい」と考えるようになったのです。
 飯尾社長はこう言います。
 「結婚するカップルの約半数が結婚式を諦めているんですよ。普段の会話の中で、『あれ、去年より結婚式に呼ばれる回数が増えたな』となれば幸せじゃないですか」

 新規事業を軌道に乗せるというのはとても大変なことです。ましてや、それまでなかったサービスを作り、それが取引先の利益と相反するのであれば、なかなか説得は難しいものです。
 みんなのウエディングがうまく軌道に乗ったのは、「新郎・新婦が素晴らしい結婚式を挙げるためだけにやっています。この思いは式場も同じはずです」と、誠実に訴え続けたからです。動機の純粋さこそが、商慣習さえも壊すことができるのです。
 事業で壁にぶつかった時、新たな事業が思うように進まない時、今一度、事業の動機について考えてみてはいかがでしょう。
 それを改めて純粋に訴えてみることで、何かが変わるかもしれません。

今週の名言:他人に転嫁できなくなった嫉妬心は、自己研鑽への強い動機に変質する ~ 仲代達矢


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テーマ : ☆経営のヒント☆ - ジャンル : ビジネス


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