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栗田 剛志

Author:栗田 剛志
横浜在住の駆け出しコンサルタントです。
真の士(サムライ)を目指して、刀を磨き続けます。
「刀は錆びていないか・・・」
自問自答の日々です。
父親の興した会社を引き継ぎ、世の中の中小・小規模事業者を同士としてサポートしていきます。

営業力強化の支援
マーケティング戦略立案
店舗運営管理
販売員のマネジメント
ロジカルシンキング
を得意とします。

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1145:【現場とのコミュニケーション】

2014/03/31 (Mon) 06:00
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               日経ビジネスに見る「経済先読み・解読」 235号
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         「日経ビジネス2014年3月31日号 no.1735
『日本マクドナルド~スマイルは、いつ戻るか』」より

そういえば、最近家族と一緒にマクドナルドに行っていません。数年前までは、月に数回、子供を連れてマクドナルドに行っていました。個人的にはマクドナルドのハンバーガー類は、月に数回行くほど好きではありません。フライドポテトもMサイズだと全部食べきれないことがあります。
子供が小さかった頃は、一般的な飲食店に連れて行っても適当なメニューがなかったり、周囲に気を使わなくてはならなかったりと何かと不便だったのですが、マクドナルドに連れて行けば、子供は喜び周囲を気にする必要もありませんでした。
要は、マクドナルドに行けば面倒くさくないとの理由で、大人の私が我慢していただけのことだったのです。
今は子供も大きくなり、食べれるものも増えたため、マクドナルドから足が遠のいています。我が家にとってのマクドナルドは、その程度のものでした。
デフレの勝ち組と称されたマクドナルドが、一転して2期連続の減収減益となっています。昨年の8月に社長さんが交代しましたが、客数減小には歯止めがかかっていません。
マクドナルドの現場では、一体何が起こっているのでしょうか。

最近足を運ばなくなったマクドナルドですが、先日、出張のため家を出るのが早かった日に、朝食を取りにマクドナルドに入りました。
その時気付いたのですが、カウンターの中でクルーが楽しそうにおしゃべりをしているのです。それに対してとやかく言うつもりはないのですが、「あれ」と何となく違和感を持ったことは事実です。
また、カウンター前にお客さんが列をなし、自動ドアが閉まらない状態がしばらく続きました。寒い日だったので、冷たい風が店内に吹き込んできました。
列を横に並ばせるなど一声かければ自動ドアは閉まるのですが、クルーは全く反応しませんでした。
首都圏の幹線道路沿いにあるマクドナルドの土曜の午後の風景です。
土曜日の昼時であるにもかかわらず、店内にいるのは高齢者や学生、そしてビジネス客とおぼしき客ばかりです。カウンターに立つ女性店員は、注文をさばくのに必死で、笑顔が見られません。奥のテーブルには、前の客が使ったと思われる紙ナプキンが残り、どこか雑然とした雰囲気が漂っています。
初老の女性がコーヒーをすすりながらつぶやきました。
「以前はもっと子連れの家族がいて、温かい感じだったのにね」
こうした店舗の状況は一例ですが、私が感じ取ったことが各地でも起こっているようです。

客数でみると、マクドナルドのここ1年の不振は深刻です。昨年4月以降、月次の既存店の客数は前年割れが常態化し、前年同月比で10%超の減少となる月も少なくありません。
新しくマクドナルドの社長さんになったサラ・カサノバ氏は、「魅力的な商品を打ち出せなかった」と2013年の不振を総括しています。
確かに、総菜や弁当を自宅で食べる中食の拡大や、高品質志向へのシフトといった変化に迅速に対応できなかったのは間違いありません。
低価格の入れたてのコーヒーも、コンビニエンスストアの追随で優位性がなくなったのも事実です。
キャンペーンも似たような内容を乱発するだけで消費者に飽きられてしまったとも考えられます。
しかし、競争力の低下の根本的な原因は、他にあるようです。
それは、顧客に対するホスピタリティーの低下です。
「従来は考えられなかったが、私語をするクルーの姿が増えた」「清掃が以前ほど行き届いていない」といった声が関係者の間からあがっています。
原田前社長の時に、キャンペーンを多用して新規顧客の獲得を推進し、クーポン戦略で低価格志向の客も増えました。コーヒーメニューの強化で、ビジネス客やシニア層が増え、長時間、机を占有する客も目立つようになり、コアファンの子連れ客が気軽に楽しめない雰囲気になってしまっています。
また、マクドナルドのクルーと言えば、メニューにも載った「スマイル」が代名詞です。仕事が充実していることによる笑顔が、接客へのスマイルへつながります。しかし、最近では、クルーの疲弊が目につくようになりました。
最大の理由は、性急なフランチャイズ化にあります。マクドナルドは、2006年頃から直営店のFCへの売却を続けてきました。店舗への投資をFCに任せ、本社はマーケティングや商品開発に専念することが目的で、全店に占めるFC店の比率は2007年末の29%から2013年末には68%にまで上昇しました。
あるFCオーナーさんはこう言います。
「本部から売上改善の指示に加え、クルーの負担を軽視したキャンペーンで現場の余裕がなくなった」
2013年1月に実施した60秒以内に商品を提供できない場合にクーポンを渡すというキャンペーンでは現場が大混乱し、スピードを意識するあまり、仕上がりの悪い商品が提供されたり、接客が雑になったりするケースも見られました。
別のFCオーナーさんはこう言います。
「変えたいという意欲は分かるが、もう少し現場の意見を聞いてほしい」
本部の戦略を実行するには、現場との密接な連携があってこそ成り立つものです。本部主導で物事を進めて悪循環に陥ることは、よくあるパターンです。
FCオーナーさん達の話を聞く限り、本部と現場のコミュニケーションが不足していることが伺えます。

本部とFCの関係を、社長と従業員、あるいは上司と部下に置き換えることができます。いくら良い戦略を立てることができても、実行が伴わなければ意味がありません。現場の混乱は、むしろ競争力の低下につながります。
現場とのコミュニケーションの優先順位や重要度の位置づけを誤ってはいけません。

今週の名言:僕はいつも足りない、足りないと思って仕事をしている ~ 升田幸三



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テーマ : ☆経営のヒント☆ - ジャンル : ビジネス


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