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プロフィール

栗田 剛志

Author:栗田 剛志
横浜在住の駆け出しコンサルタントです。
真の士(サムライ)を目指して、刀を磨き続けます。
「刀は錆びていないか・・・」
自問自答の日々です。
父親の興した会社を引き継ぎ、世の中の中小・小規模事業者を同士としてサポートしていきます。

営業力強化の支援
マーケティング戦略立案
店舗運営管理
販売員のマネジメント
ロジカルシンキング
を得意とします。

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1086:【人に対する想い】

2013/12/24 (Tue) 06:00
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               日経ビジネスに見る「経済先読み・解読」 221号
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                 「日経ビジネス2013年12月23日号 no.1721
              『出光佐三を地でいく男~松本工業社長 松本茂樹』」より


 今年の本のベストセラーに「海賊と呼ばれた男」があります。出光興産の創業者である「出光佐三」をモデルにした小説です。社員を家族と呼び、徹底的に育て上げ、事業を委ね、輝かしい業績を残した主人公に、多くの人が感銘を受けました。
 「絶対に解雇しないから覚悟してついてこい」
出光佐三と同じことをいう人が北九州市にいます。従業員300人ほど、売上は100億円の中小企業、松本工業の二代目である松本茂樹社長です。
 松本社長自身は、出光佐三のことを意識しているわけでもありませんし、出光佐三の経営を語るわけでもありません。 それでも、周囲の人は、佐三の姿を重ね合わせます。
 こんな社長さんが本当にいることに、素直に驚くばかりです。

 これまで高卒や未経験者など埋もれた人材を根気強く育て、幹部に登用し、事業を任せることで松本工業は事業を拡大してきました。
 10年前に30億円ほどだった売上は、リーマンショックや超円高を経た今、100億円にまで拡大しています。2012年には、2次部品メーカーながら中国への進出も果たしました。その中国工場を立ち上げたのは、高卒から育て上げた若手のエースです。
 32歳の若者は、工業高校を卒業後、松本工業の工場作業者として入社しました。工場で働く彼を、松本社長は入社3年目に技術部門に登用し、13年目の2012年春には、中国への赴任を命じたのです。
 若きエースはこう言います。
 「海外はおろか、県外で働くことすら考えたことはありませんでした。高校時代は本当に成績が悪くて、自宅に近かった松本工業へ入社したんです」
 その仕事ぶりは、大企業で海外経験豊富な人材に比べても、何ら見劣りもしません。現地に乗り込み、ゼロから生産設備の現地調達から導入、採用活動、そして現場教育まで一手に引き受けたのです。
 松本社長は、こう言います。
 「高卒しか採れないのがよかったのかもしれない。変なプライドがないから。地方には経済的な理由で進学を諦めた人も多い。埋もれた人材が山ほどいるんよ」

 松本工業の工場は、外部からひっきりなく視察団が訪れます。整理整頓が行き届いた工場は、松本社長が始めたカイゼン活動のたまものです。
 もともと松本工業は、松本社長のお父さんが始めた会社です。典型的な創業社長だったお父さんは、強烈なリーダーシップで会社を引っ張ってきました。しかし、先代のリーダーシップの影響か、指示待ち体質の社員が多く、松本社長に交代しても笛吹けど踊らずという状態が続いたのです。
 社員が自らの頭で考えて動く会社にしたいと考えた松本社長は、カイゼン活動の中に答えを見出していきました。
 今から25年ほど前、取引先の1次部品メーカーからカイゼンの指導をうけるようになりました。当時を振り返り、松本社長はこう言います。
 「工場の掃除をしたら儲かるなんて言われても、内心は疑心暗鬼だった」
 それでもカイゼンに取り組んだのは、成果が出たら取引を拡大してくれるのでは、といった下心があったからです。
 工具を使ったら元の場所に戻すといった当たり前のことから始め、日常業務で見つけた課題を試行錯誤しながら解決するという過程を繰り返しました。すると、嫌々やっていた従業員に、少しずつ変化が表れ始めたのです。初めはポツポツとしか出てこなかったカイゼンの提案数も徐々に増え始め、何よりも社員さんたちの目が輝き始めたのです。
 松本工業のカイゼンを指導している専門家の方はこう言います。
 「初めてカイゼン指導に来た時は、まだ『ただの町工場』だった。でも今は『企業』になった。これは経営者の意思以外の何物でもない」
 松本社長は、日頃自らが育てた部門長にこう言っています。
 「成功の反対は失敗ではなく、何もしないこと。失敗したらやめればいいんや。最後の責任は社長の俺が取るんだから、やってみろ」
 松本社長は、事あるごとにこう部門長達に語りかけ、部門長達も社長に負けじとアイデアを出していきます。すざまじいスピードで試行錯誤が繰り返されていくのです。

 松本工業は、これまで相当な数の新規事業に挑戦しては失敗し、撤退しています。現状に安住したら未来はないという強い思いに突き動かされた結果です。
 今では、自動車部品のほか建材も手掛け、さらには食品スーパー、産直生鮮店、惣菜や弁当、食堂まで経営しています。
 松本社長はこう言います・
 「企業にも事業にも寿命がある。調子の良い時にリスクを取って、健全な赤字を出すべきだ」
 自動車産業は、設備投資と管理負荷が高いことから、新規参入しても利益がでるまでに時間を要します。松本工業の場合も、参入から3年間は毎年数千万円の赤字を出していました。その赤字を、当時好調だった食品スーパー事業が支えたのです。
 松本工業と取引のある金融機関の頭取さんはこう言います。
 「苦境にあえぐ多くの中小企業と松本工業との違いは、経営者に中長期のストーリーがあるかないかだ」

 若手の活用と権限委譲、コツコツ積み上げるカイゼン活動、中長期のストーリーと新規事業へのチャレンジ。成功の秘密は、私たち中小・小規模事業者でも真似できることです。しかし、松本工業が成功している本当の理由は、別にあるのではないかと感じています。
 「人生の大半を費やす仕事が楽しくないと、人生の楽しみが半減する。仕事で豊かになってほしい」
 松本社長の経営は、生産性や品質向上に留まらず、社員さんたちに幸せな人生を歩んでほしいという想いに行きつきます。
 人に対する想いこそ、人を動かす原動力なのです。

今週の名言:責任は私が取る ~ ハリー・トルーマン


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